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PHILOSOPHY / 思想
匂いは、
人生を呼び戻す。
匂い(香り)は、高齢者を元気にする。
これは、俺がこれから本気で向き合いたいテーマです。 人は、目で見た景色や、耳で聞いた言葉だけで生きているわけではありません。 何気ない匂いの中にも、その人の人生が残っていると思っています。
昔使っていた石けんの香り。
朝ごはんの湯気に混ざる味噌汁の匂い。
洗濯物が乾いた時の安心する香り。
季節の花、畳、木の家、雨上がりの道。
それらは、ただの匂いではなく、 その人が生きてきた時間そのものです。 匂いに触れた瞬間、忘れていた記憶がふっと戻ることがあります。
「ああ、懐かしいな」
「昔、こんなことがあったな」
「あの頃は楽しかったな」
その一言が出るだけで、表情が変わる。 背筋が少し伸びる。 会話が生まれる。 心が動き出す。
介護の現場では、食事、入浴、排泄、移動など、 目に見える支援が中心になりやすい。 もちろんそれは大切です。 でも俺は、目に見えないものにも大きな力があると思っています。
気分が変わること。
思い出すこと。
笑顔になること。
誰かに話したくなること。
それも立派な「元気」だと思う。
香りは、無理やり励ますものではありません。 頑張れと言わなくても、そっと心に届く。 言葉が届きにくい時でも、香りなら届くかもしれない。
高齢者にとって、香りは生きがいの入口になる。 昔の記憶を呼び戻し、今の会話を生み、 明日を少し楽しみにするきっかけになる。
匂いで、元気に。
香りで、生きがいを。
俺は、介護福祉士として、 香りの力をもっと介護の中に入れていきたい。 ただ清潔にするだけではなく、 ただ整えるだけでもなく、 「その人の心が少し明るくなる時間」をつくりたい。
介護は、身体を支える仕事です。 でもそれだけではなく、 その人の人生にもう一度、光を当てる仕事でもあると思っています。
匂いは、人生を呼び戻す。
俺はそう信じています。

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