9日に1件、介護殺人が起きている。
それでも、施設稼働率は70%。
追い詰められた家族が、愛する人の命を奪ってしまう——。
「介護疲れによる殺人」は、いまや9日に1件というペースで起きていると言われています。
「もう限界でした」「どこにも預けられなかった」。
介護殺人のニュースで、遺族が残す言葉はどれもよく似ています。
介護を担う家族の体力も、気力も、お金も、時間もすり減っていく。
それでも、相談先がわからない。
施設に電話しても「空きがない」「要介護度が合わない」「今は受け入れが難しい」と断られる。
一方で、現場の介護施設に目を向けると、
稼働率はおよそ70%前後。
ベッドも、椅子も、送迎車の席も、
“物理的には” まだ余白が残っているところも少なくありません。
なぜ「9日に1件」が、ゼロにならないのか。
受け入れ条件、加算、採算、人員配置——。
施設側にも事情があります。
「誰でもウェルカム」と言いたくても、
現場を守るために線を引かざるを得ないケースも多い。
けれど、その“線の外側”に置かれた家族の中で、
今日も限界に近づいている人がいます。
9日に1件という数字は、
その線の外側に押し出された人たちの悲鳴の数でもあります。
施設稼働率70%という「余白」を、どう使うか。
もし、受け入れ拒否を減らせたら。
もし、「一時避難」のように預かれる仕組みが当たり前になったら。
もし、稼働率70%の“空いている30%”を、
限界ギリギリの家族のために使えたなら——。
「9日に1件」という数字は、
本当はゼロに近づけられるはずの数字です。
そう信じている現場の職員は、少なくありません。
WEB ART STORIES では、現場から見える課題と、
それでも諦めていない人たちの取り組みを記録していきます。
WEB ART STORIES 編集室

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